学生支援部門 ダブルホーム制
概要・詳細
本プログラムの概要(申請書より)
 本取組は、学生が日常を過ごす拠点(ホーム)を、学部・学科の領域を越えて形成するものである。学部・学科の専門教育を行う従来の拠点である第一のホームに対して、新しい第二のホームは各々24名の規模で、文系・理系・医歯系の学生が集まる総合大学の特性を生かし、学年・領域が混じって構成される。第二のホームでは、将来の学生が専門家として行う様々なサービスの受け手である生活者の視点に立って地域連携に取り組む。自分を生活者の立場に映すことや多様な価値観の人たちと話すことにより、将来学生が直面する困難な課題に適切に対応できる力が養われる。このことが、学生の生活をいきいきとしたものに変えて、悩みに陥ることを未然に防ぐ優れた予防的環境となる。また、各自の専門性を生活者の立場からより深く認識することで、学習への強い動機が得られる。第二のホームでのネットワークは卒業後も、学生個人の生活や専門性を支援する財産となる。
本プログラムの趣旨・目的(申請書より)
(1)取組の背景・動機と大学における意義
 本取組の実施の背景には、学生の人間関係の希薄化がある。人間関係の希薄化は、同年齢で同じ考え方の狭い集団の中でしか暮らせない若者を増やしている。これらは、結果として学生のメンタル面での脆弱化、コミュニケーション能力の低下、社会からの遊離、という相互に関わり合う三つの現象を引き起こしている。例えば、登校せず部屋から出られない学生(ひきこもり)や就職活動を放棄して社会に出たがらない学生(ニート)の増加など、自分の進路が見えない・自分の居場所が分からない学生が、新潟大学でも増加する傾向が見られている。
 本学では、このような学生へのケアとして、学部単位で学生相談員による相談窓口を設けたり、保健管理センターでのメンタルヘルスケアを新設したりするなどの手当を行ってきた。さらに、スタディ・スキルズを開講し、初年次学生に大学学習法を学ばせている。また、キャリア教育プログラムや学生の進路選択へのアドバイスを通して、自分の立地点と将来像を学生に気づかせる教育プログラムが実践されてきた。
 しかしながら、こうした実践にも関わらず、メンタルな問題を抱えて立ち止まる学生の数は少しずつ増える傾向にある。このことから、問題を学生自身が受け止めて、適正に対応できる健全な力を育成する予防的環境が治療的環境とともに重要であると認識するに至った。
 この考え方に基づいて、学生の居場所となる第二のホームを新たに設けることにした。第二のホームで生活者の視点を獲得するために、地域社会との積極的な連携をテーマとする自己啓発型の学生支援プログラムを構築していく。この活動によってつくられる環境が、学生にとって今必要とされる予防的環境となる。
(2)趣旨と目的
 本取組は、学生が日常を過ごす拠点(ホーム)を、学部・学科の領域を越えて形成するものである。学部・学科の専門教育を行う従来の拠点である第一のホームに対して、新しい第二のホームは各々24名の規模で、文系・理系・医歯系の学生が集まる総合大学の特性を生かし、学年・領域が混じって構成される(図1)。第二のホームでは、将来の学生が専門家として行う様々なサービスの受け手である生活者の視点に立って地域連携に取り組む。
図1 第一のホームと第二のホーム
 自分を生活者の立場に映すことや多様な価値観の人たちと話すことにより、将来学生が直面する困難な課題に適切に対応できる力が養われる。このことが、学生の生活をいきいきとしたものに変えて、悩みに陥ることを未然に防ぐ優れた予防的環境となる。  また、各自の専門性を生活者の立場からより深く認識することで、学習への強い動機が得られる。第二のホームでのネットワークは卒業後も、学生個人の生活や専門性を支援する財産となる。  本取組の目的は、学生が悩みに陥ることを未然に防ぐ予防的な環境を整備することにある。すなわち、学生の居場所となる第二のホームを中心として、「生活者の視点に立つ地域連携のテーマ」に取り組むことで、将来直面する困難な課題に対峙できる適正な力量を獲得するものである。このことは、学生が精神面での問題を解決できない状況になった場合に必要となる従来の治療的環境に対して、自己啓発型のプログラムによって形成される予防的環境の構築を意味する。  第二のホームは、1~3年各8名、合計24名の規模で構成される。このホームには分野を異にする教員2名と教育支援員(仮称)(名誉教授、同窓会会員など)が1名加わり、ホームの運営に関してサポートする。さらに、このホームを経験し、活動のポートフォリオを完成した4年生がピアサポートのTAとして参加する(図2)。このホームは、大学を離れ、本学がすでに地域と密接に関わりながら推進している教育プログラムや研究プロジェクトの場に訪れることを主な活動とする。
図2 第二のホームの運営体制
(3)プロジェクト活動
例えば、2007(平成19)年度に予定している教育プログラム・研究プロジェクト(担当教員)は以下のとおりである。

□「西区deアート」(教育人間科学部・近藤フヂエ 教授)
□「日本海沿岸地域の伝統的な漁撈習俗とその成立」(人文学部・池田哲夫 教授)
□「学生と住民との協働・新潟県長岡市栃尾表町での雁木づくり」
  (工学部・西村伸也 教授)(工学部・岩佐明彦 准教授)
□「ヒト腎臓・尿プロテオームプロジェクト」(医学部・山本格 教授)
□「こころを科学しよう!」(脳研究所・中田力 教授) (脳研究所・鈴木清隆 准教授)
□「過疎・高齢化の進む中山間地で頑張る“小国町森光集落”」(農学部・福山利範 教授)
□「新潟デジタル・メディア研究会」(人文学部・北村順生 准教授)
□「良寛さんを通してみる和の心」(教育人間科学部・岡村浩 准教授)
□「人間理解と支援の地域福祉プロジェクト」(歯学部・鈴木昭 教授)
□「環日本海プロジェクト」(工学部・仙石正和 教授)
□「キャンパス町内会プロジェクト」(社会連携センター・松原幸夫 教授)

これらの活動では、学生は生活者の視点でこれらのプロジェクトを観察し、そこに住む地域の人たちと対話することが中心的な内容となる。運営に関するガイダンスの後に1年を通して向かうテーマを文系・理系・医歯系から順番に選ぶ。グループのリーダーはそれぞれの専門性を生かし、地域の課題調査や住民との話し合いの場・活動スケジュールなどを主体的に設定する。
 地域に出る活動は土日を利用して2ヶ月に1度・年4回行われ、隔週の土曜日・日曜日には、準備のためのミーティングを行う。これらの活動は学生一人一人のポートフォリオに記録されてゆく(図3)。
 各ホームをサポートする教員は、1年の活動スケジュールやテーマの選出についての調整を行う。また、教育支援員(名誉教授、同窓会会員など)は、文系・理系・医歯系の各系から推薦され、非常勤協力教員として登録される。
図3 第二のホームの体制と活動の関連図 ※クリックで拡大します。
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